内臓脂肪の知られていない役割や危険性|測り方や平均値は?

年を重ねると健康診断で内臓脂肪の多さを指摘されることが増えるでしょう。

食生活の乱れや運動不足など様々な原因が考えられます。

そこで内臓脂肪の増える原因や危険性、測り方、平均値を調べました。

そして、内臓脂肪を効果的に落とす方法もご紹介します。

《目次》

体脂肪計では内臓脂肪と皮下脂肪の2種類が一緒に測られる

毎日、体重計に乗って記録を付けることで、食事や運動に気が向くようになり、体重管理に役立つということは広く知られています。

健康志向の人の中には、体脂肪計を買って、体重と体脂肪の両方の記録を付けている人もおられることでしょう。

しかし、体脂肪計で気を付けなければいけないのは、体脂肪計で測れるのは、内臓脂肪と皮下脂肪の合計量だということです。

内臓脂肪皮下脂肪では性質が異なりますから、内臓脂肪を減らすのに有効なダイエットでも皮下脂肪を減らすには向いていないこともあります。

内臓脂肪と皮下脂肪では、一体何が違うのでしょうか。

 

体脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪がある~その違いとは?

内臓脂肪とは、内臓と内臓のすき間や、内臓を収めているおなかの空間の内側につく脂肪です。

内臓脂肪がつくと、おなかの回りがタプタプします。

内臓脂肪は男性のほうが付きやすいです。

女性も閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が少なくなってしまうと、内臓脂肪が付きやすくなっていきます。

体脂肪計で内臓脂肪と一緒に算出される皮下脂肪は、皮ふの下に蓄えられます。

皮下脂肪は子どもや若い女性に付きやすく、お尻や太ももにたまりやすい性質があります。

 

内臓脂肪は体に必要!内臓脂肪が果たす役割とは?

何かと悪者扱いされている内臓脂肪ですが、適度な内臓脂肪は体の健康維持には欠かせません。

体に取り入れた食物は、胃や腸で体内の細胞が使いやすいレベルに分解されてから血液に乗り、体中の細胞に分配されていきます。

体が必要とする以上の栄養が入ってきた場合は、次に食べ物が入ってくるまでの間に万が一栄養が足りなくなったらすぐに出せるよう、栄養を内臓脂肪にして腸のすき間に一時的に蓄えておくのです。

そのため、内臓脂肪はジョギングなどの有酸素運動で落ちやすいのです。

内蔵脂肪からはまた、長生きホルモンとも呼ばれるアディポネクチンが分泌されます。

アディポネクチンは、1996年、大阪大学医学部で働いていた松澤裕次教授によって発見されました。

アディポネクチンは、コレステロールが血管の壁にこびりつかないように血管の中を掃除します。

血管を広げる働きもありますから、アディポネクチンが十分に分泌されていれば、高血圧や動脈硬化を起こしにくいのです。

また、がんを患う人は血液中のアディポネクチン濃度が低いことがわかっていて、がんを発症したマウスにアディポネクチンを注射したところ、ガンが90%も小さくなったという研究データも報告されています。

さらに、アディポネクチンにはインスリンの効き目を高くする働きもあり、適度に内臓脂肪が付いている人は糖尿病になりにくいことが報告されています。

内臓脂肪には、内臓と内臓の間のクッション材の役目もあります。

内臓のすき間を埋めて、それぞれの臓器をあるべき位置に固定しているのです。

やせ過ぎで胃下垂になっている人は、胃などの臓器を固定する内臓脂肪が少ないことが理由だと考えられます。

 

皮下脂肪も体に必要!皮下脂肪が果たす役割とは?

皮下脂肪には、クッションとしての役割もあります。

体に何かがぶつかった時の衝撃を和らげてくれますし、お母さんのハグを温かいと感じるのも皮下脂肪のクッションのおかげです。

また、女性らしいきれいなフォルムを作り出すのも皮下脂肪です。

脂肪は、筋肉に比べて熱の伝わり方がゆっくりしています。

そのため、皮ふのすぐ下に皮下脂肪が多めに付いている人は、外が寒くても体の中まで冷え切ってしまうことが少ないのです。

女性は自分のおなかで赤ちゃんを育てることができるように、皮下脂肪が多めに付くようになっています。

体脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪の2種類あり、皮下脂肪にもエネルギーの貯蔵庫という役目があります。

ただし、内臓脂肪が仮置きストックであるのに対し、皮下脂肪は物置にしまっておくようなものです。

月経のある期間の女性が太ると内臓脂肪としてではなく、皮下脂肪として蓄えられやすいのは、いつ妊娠しても赤ちゃんに暖かいベッドと栄養を十分提供できるように体が準備しているからなのです。

皮下脂肪は熱が伝わりにくい性質がありますから、有酸素運動などで体を温めても簡単に燃えてはくれません。

皮下脂肪を落とすには、筋肉トレーニングやマッサージなどを根気よく続ける必要があります。

 

体脂肪計の数値に振り回されないようにご用心

人の体重の約60%は水で、そのほかの重量のほとんどは筋肉と脂肪です。

体脂肪計は水や筋肉に比べて脂肪が電気を通しにくいという性質を使って、体の中にごくごく微弱な電流を流して体脂肪を測ります。

つまり、体脂肪計で測る体脂肪とは、水+筋肉の重さ:脂肪の重さの割合なのです。

そのため、水を飲んだ後や体調が悪くてむくんでいる時は、内臓脂肪皮下脂肪の量に変化がなくても体脂肪率は低く出ます。

汗をかいて体内の水分が減ると、体脂肪が増えるか減ったかに関わらず体脂肪率が高く出ます。

今の体脂肪計の測定方法では、内臓脂肪と皮下脂肪を区別して測定はできないことも頭の片隅に入れておくと良いでしょう。

 

 

肥満の種類には内臓脂肪由来と皮下脂肪由来がある~危険なのは?

肥満の種類には、内臓脂肪皮下脂肪に由来する2つのタイプがあります。

内臓脂肪からはアディポネクチンが分泌され、体中の血管のメンテナンスをしています。

内臓脂肪が太ってしまうと、内臓脂肪からアディポネクチンが分泌されなくなり、生活習慣病を引き起こすリスクが高まるのです。

内臓脂肪が増加すると糖尿病や高血圧症、高コレステロール血症などのリスクが高くなると言われ、厚生労働省は2008年から40~74歳の健康保険加入者を対象にメタボ検診を始めました。

生活習慣病を予防し、いつまでも若々しく活動的に生きるには、体脂肪を適度に抑えることがカギだとも言われています。

しかし、体脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪とがあり、それぞれに異なる性質を持つので、ダイエットをするにはそれぞれ別のアプローチが必要なのです。

自分の肥満の種類を見分けるには、どうしたら良いのでしょうか。

 

リンゴのような形の肥満の種類は内臓脂肪が原因

内臓脂肪と皮下脂肪では、体の中に蓄えられる場所が違います。

内臓脂肪は、その名前の通り内臓の回りに蓄えられるのが特徴です。

内臓には胃や腸、すい臓、肝臓などいろいろな臓器がありますが、それらはみな腹腔(ふっこう)といって、おなかの中にある空洞の中に秩序正しく配置されています。

内臓脂肪は、それらの臓器にこびりつくというよりも、臓器が入っているケースの前側にエプロンのように垂れ下がり、臓器と臓器の間にもクッションのように配置されています。

また、余分な栄養がたくさんやってくると内臓脂肪が増えるのではなく、今ある内臓脂肪の1つ1つが容量を大きくしてすべて受け入れようとします。

内臓脂肪は、腹腔の外へ出ていけません。

そのため、肥満の種類の中でも内臓脂肪が原因の場合は、胴体の部分だけがふくらみ、リンゴに手足と頭が付いたようなスタイルになっていきます。

内臓脂肪は、緊急用のエネルギーストックとして使われます。

食べた食物は胃や腸で消化され、腸の壁から体に栄養として吸収されていきますが、体全体が必要とする量以上に栄養が取れている場合は、内臓脂肪に栄養を蓄えるのです。

1日3回同じ時間に食事をするのが理想ですが、忙しい毎日では食事の時間が遅れたり、ほとんど食べずに動かなければならない時もあることでしょう。

そういう時こそ、内臓脂肪の出番です。

今まで蓄えてきた栄養を血液中に放出し、予定通りに口から栄養が入ってこなくても体がエネルギー不足にならないように調整します。

エクササイズやジョギングなどの有酸素運動で、いつも以上にエネルギーが消費された際も、内臓脂肪からエネルギー補給が行われます。

そのため、一般的なダイエット法では、肥満の種類の中でも内臓脂肪型のほうが効果は出やすいのです。

最近はやりの炭水化物をカットするダイエット法も、内臓脂肪を原因とする肥満の種類には有効です。

 

洋ナシのような形の肥満の種類は皮下脂肪が原因

皮下脂肪は、皮ふの下に付きます。

内臓脂肪は体の奥のほうにあるので、ある程度たまっても体形に表れない人もいますが、皮下脂肪は体の表面にありますから、付きすぎるとすぐに外見の変化に表れてしまいます。

皮下脂肪は、二の腕やおなかの回りにも付きますが、最も付きやすい部位はお尻と太ももです。

肥満の種類の中でも皮下脂肪を原因とする肥満では、胸も大きくなりますがお尻から太ももの部分がもっと大きくなるので、洋ナシに手足と頭が付いたようなスタイルになっていきます。

内臓脂肪が緊急時用のストックであるのに対し、皮下脂肪は長期用のストックなので、多少の緊急事態が発生しても使われません。

皮下脂肪に蓄えた栄養は、将来もっと大変な事態が発生する時のために大事に守られ続けます。

そのため、普通のダイエット法ではなかなか効果が出にくいのです。

皮下脂肪を落とすには、エクササイズやジョギングなどの有酸素運動に加えて、筋肉トレーニングやマッサージなども行い、脂肪が燃えやすい体質に時間をかけて変えていかなければなりません。

 

内臓脂肪が過剰になると生活習慣病のリスクが上がる!

近年になって、内臓脂肪からアディポネクチンというホルモンが分泌され、全身の血管をメンテナンスして周っていることが明らかになりました。

アディポネクチンには血管を広げる作用もあるため、アディポネクチンが十分に出ている人は太っていても高血圧にはなりにくく、動脈硬化や脳や心臓の血管の病気にもかかりにくいのです。

また、アディポネクチンにはインスリンの効きを良くする働きもあり、食事制限をしなくてもアディポネクチンを投与することで糖尿病患者の血糖値をコントロールできる可能性について論じられています。

アディポネクチンを投与したマウスのガン細胞が劇的に減少したという研究報告もあり、アディポネクチンは世界中の医療関係者の関心を集めています。

しかし、栄養の取り過ぎで内臓脂肪がふくらみ過ぎてしまうと、内臓脂肪はアディポネクチンを出さなくなってしまいます

アディポネクチンが体に不足すると、血管のメンテナンスが間に合いません。

血管の傷ついた箇所で血液は流れにくくなって血圧が高くなり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。

また、インスリンの効きが悪くなるので糖尿病も発症しやすくなってしまいます。

肥満の種類が内臓脂肪由来の疑いがある場合は、今すぐ真剣にダイエットに取り組みましょう。

 

肥満度を測るBMI数値で見る内臓脂肪と標準体重

肥満度を客観的に言い表すには、身長と体重を使って算出するBMI数値が便利です。

BMI数値は、メタボリックシンドロームを予防するための健診で使われます。

BMI数値が標準体重の範囲を超えると肥満の疑いがあり、やせていても内臓脂肪がたっぷりついている危険があるのです。

2008年、厚生労働省はメタボリックシンドロームを予防するための特定健康診査・特定保健指導を行うことを義務付けました。

生活習慣病を引き起こすリスクのある人を早めに発見し、生活習慣を改善する指導を行うことで、国民が健康で長生きできるようにすることが特定健康診査・特定保健指導の目的です。

特定健康診査受診結果通知表に記されているBMI数値内臓脂肪、および標準体重肥満度についての関連について説明します。

 

BMI数値とは何のこと?BMI数値で何がわかる?

BMI数値のBMIは、英語のBody Mass Indexの頭文字です。

「ボディマス指数」や「体格指数」と訳されることもあります。

体形を表すのに「がっしり」「ぽっちゃり」「華奢(きゃしゃ)」といった言葉があります。

しかし、主観的であいまいな表現なので、言葉だけでは医療の現場で患者がどのくらい太っているかを客観的に表すことは難しいのです。

ベルギー人の数学者アドルフ・ケトレーは、得意の統計手法を使って肥満度を客観的に表す計算式ができないかと考えました。

1835年にケトレーが発表した肥満度を表す計算式は、その後いくらか改良が加えられ、1994年にはWHO(世界保健機機関)によって標準体重肥満度を表す国際的な基準として採用されました。

日本のメタボ検診では、内臓脂肪が多くて病気にかかるリスクが高い人を見つけ出し、客観的な事実を突き付けて病気になる前に生活習慣病を改善させることにBMI数値が役立っています。

 

BMI数値で肥満度と自分の標準体重を計算してみよう

BMI数値の式は、下記のように表されます。

「体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))」

身長の単位が「cm」ではなく「m」であることに注意してください。

人間はやせ過ぎていても、太り過ぎていても健康ではいられません。

病気にかかりやすい人とかかりにくい人を、統計学を使って調べました。

すると、BMI数値が18.5以下、もしくは、25.0以上の人は病気にかかりやすいことが分かりました。

BMI数値は世界共通ですが、人種や土地・気候によってどのくらいがちょうど良いかは異なります。

日本でちょうど良いとされる標準体重のBMI数値は、日本肥満学会によって定められました。

日本肥満学会によると、も健康で長生きできるとされるBMI数値は下記のとおりです。

「男性は22.0、女性は21.0」

肥満度内臓脂肪を気にしている人は、ダイエットの目標体重を何kgにすべきかということにも関心があるでしょう。

自分の身長では、何kgが標準体重になるかだけを調べる方法もあります。

標準体重を計算するため、日本では「身長-110」あるいは「(身長-100)×0.9」という簡単な式がよく使われています。

標準体重を求める正式な式は「(身長×身長)×22÷10,000」です。

これは大人の肥満度や標準体重を測る式なので、小学生の標準体重を計算して出すには「(身長×身長×身長)×13」という式のほうが良いと言われています。

標準体重は、健康で長生きするための理想体重ですので、いわゆる美容体重よりは5%くらい多めの数値になっています。

 

BMI数値は生活習慣病を引き起こす内臓脂肪の指標となる

毎日が忙しく、ダイエットにもそれほど熱烈な関心があるわけではない人は、自分の体重について考える機会がほとんどないかもしれません。

日本人の平均体重を年齢別に追っていく下記のようになります。

男性:20代前半65kg→20代後半66kg→30代69kg→40代70kg

女性:20代前半51kg→20代後半52kg→30代53kg→40代55kg

年齢が上がれば上がるほど太っていく傾向があることがわかります。

毎年、必ず特定健康診査を受け、身長と体重からBMI数値を計算してもらい、自分の肥満度内臓脂肪レベルについて考える機会にしましょう。

痩せているように見え、体重がそれほどなくても、おなかの内臓脂肪だけが極端に多い人もいます。

そのような人はBMI数値は低くても、体脂肪率は高くなっているかもしれません。

内臓脂肪が健康に害を及ぼすレベルまでたまっているかを判断するには、CTスキャンでおなかの断面の写真を撮り、内臓周りに付いている脂肪の面積を測ってみましょう。

内臓脂肪が100平方センチメートルを超えていると、メタボリックシンドロームという判定が下ります。

しかし、内臓脂肪がそれほどなさそうな人も含め、すべての対象者に毎年CTスキャンをするのは費用がかかり過ぎてしまいます。

それで、メタボ検診では、おへその回りをメジャーで測る方法が採用されています。

内臓脂肪が100平方センチメートルの人たちのおへそ回りを測ったところ、男性は85cm、女性は90cmくらいであることがわかりました。

特定健康診査・特定保健指導では、BMI数値と腹囲を合わせてメタボリックシンドロームの予備判定を行っているのです。

 

体脂肪率と内臓脂肪率~性別・年齢別でみる平均値とは

体脂肪率も内臓脂肪率も年齢とともに、平均値は上がっていきます。

体脂肪率は女性のほうが男性よりも多いのですが、内臓脂肪率は男性のほうが多いです。

男性の場合、ほとんどの人が50代で内臓脂肪レベルが危険値を超えます。

若いうちから内臓脂肪レベルが平均値よりも高い人は、早めに対策をしましょう。

内臓脂肪率の上昇が生活習慣病と深く関わっていることが研究によって明らかになり、家庭でも簡単に内臓脂肪率を測定できる体重計が開発されています。

体脂肪率と内臓脂肪率の両方をチェックすることで、何がわかるのでしょうか。

体脂肪率や内臓脂肪率の平均値は、性別や年齢によってどう変化するのでしょうか

詳しく調べてみましょう。

 

体脂肪率と内臓脂肪率(内臓脂肪レベル)について

1994年にWHO(世界保健機機関)が標準体重や肥満度を表す国際的な基準としてBMI数値を採用しました。

しかし、BMI数値だけでは、筋肉質でがっしりしている人と脂肪が多くてぷよぷよしている人の区別はつきません。

そのため、体脂肪率を根拠にした肥満測定法が注目を集めるようになり、体脂肪率を毎日家で測定できるように家庭用体脂肪計付き体重計が開発されました。

体重計の技術はさらに進歩を重ね、最近では体脂肪率を内臓脂肪率と皮下脂肪率に分けて計測できる体重体組成計も、家庭用に販売されるようになっています。

体重体組成計では、内臓脂肪率を内臓脂肪レベルに分けて表示するようになっています。

メタボリックシンドロームのリスクがあるへそ回りの内臓脂肪の断面積100平方センチメートルを基準(10)にして、内臓脂肪レベルを表します。

・内臓脂肪の面積が100平方センチメートル以下:レベルは1~9

・内臓脂肪の面積が100平方センチメートルを超える:レベルは11以上

内臓脂肪の正確な値を知るためには、病院でCT検査を受ける必要がありますが、自分の内臓脂肪レベルを毎日チェックできれば、内臓脂肪率が上がり始めた時点で早めに対処することが可能です。

 

男女別・年齢別で見る体脂肪率の平均値とは?

体脂肪率内臓脂肪率は違います。

しかし、簡単な体重計で体脂肪率を計測するだけでも、健康管理には有用です。

体脂肪率が多過ぎると、内臓脂肪率に問題はなくても足腰に負担がかかって健康には良くありませんし、ダイエットのし過ぎで体脂肪率が低過ぎても病気にかかりやすいなど、問題が起こるからです。

体脂肪率の平均値は、男性より女性のほうが10%程度多めです。

健康的な体脂肪率の平均値です。

・成人男性では17%前後

・成人女性では23%前後

しかし、実際は年齢によって、体脂肪率の平均値も変化します。

 

年代別に見た太め標準の体脂肪率の平均値は、次のように変化していきます。

男性の場合:中高生「16~23%」→大学生から30代まで「17~21%」→40・50代「18~22%」→60代以降「20~24%」

女性の場合:中高生「27~35%」→大学生から30代まで「28~34%」→40・50代「29~35%」→60代以降「30~36%」

 

健康体重よりも、もう少しかっこよく見える、やせ気味標準の場合の体脂肪率の平均値も見ていきましょう。

男性の場合:中高生「8~15%」→大学生から30代まで「11~16%」→40・50代「12~17%」→60代以降「14~19%」

女性の場合:中高生「18~26%」→大学生から30代まで「21~27%」→40・50代「22~28%」→60代以降「23~29%」

男性でおなか回りが引き締まって見えるのは、体脂肪率が10~12%の時だと言われています。

男性では、体脂肪率が25%を超えるあたりから、メタボ検診で引っかかるようになります。

女性は胸やおしりに脂肪がある程度ついているほうがプロポーションがきれいに見えますから、女性モデルでも体脂肪率の平均値は25%前後で、意外に多いことが分かります。

セクシーな体形のセレブや女優の体脂肪率の平均値は、30%前後とのことです。

 

男女別・年齢別で見る内臓脂肪率の平均値とは?

内臓脂肪率は、市販の家庭用体重体組成計では内臓脂肪レベルで表されます。

メタボリックシンドロームの判定基準に含まれる肥満度は、内臓脂肪レベル10からです。

年代ごとの内臓脂肪レベルの平均値は、男性が20代→30代→40代→50代→60代の順に6→8→9→10→12です。

女性は、3→4→5→7→6.5と変化します。

全体の体脂肪率では、どの年代で見ても女性が男性を上回っていましたが、内臓脂肪率に限ってみると、男性のほうが多めに推移していることが分かります。

これは、女性は女性ホルモンの働きで、内臓脂肪よりも皮下脂肪がたまりやすいようにできているからです。

しかし、更年期を迎えて女性ホルモンの分泌量が減ると、女性も男性と同じように内臓脂肪がたまりやすくなります。

更年期の女性ホルモンの減少が原因である場合、今までのダイエット法が効かずに太ってしまう女性は珍しくありません。

男性の場合、50代に入ると内臓脂肪レベルが10を超える人が多くなっていることが分かります。

60代の内臓脂肪レベルの平均値が12で、自分は11だから大丈夫だと安心するのは良くありません。

また、男性は40代から内臓脂肪率が危険レベルに近づいています

もし、20代の頃にすでに平均値を上回っているのであれば、50代になる前にレベル10を超える恐れがあります。

小まめに運動をして、内臓脂肪率を下げる努力をしましょう。

 

体脂肪率と内臓脂肪率の測り方~どんな方法があるの?

家庭用の体脂肪計では、微弱な電流を流す生体インピーダンス法で体脂肪を算定します。

この測り方は体に無害で簡単ですが、誤差が多いのが難点です。

医療機関では、体脂肪率をもっと正確に測るために二重エネルギーX線吸収法が、内臓脂肪率にはCT検査が用いられています。

肥満と生活習慣病との関係が明らかになるにつれて、体脂肪率内臓脂肪率への関心も高まっています。

体脂肪率内臓脂肪率は、どうやって測るのでしょうか。

家庭で気軽にわかる体脂肪率の測り方から、医療機関で行われる厳密な体脂肪率内臓脂肪率の測り方まで、3つの方法をご紹介しましょう。

 

生体インピーダンス法を使った体脂肪率の測り方

生体インピーダンス法は、体にごくごく弱い電流を流して、電流を流した時の電気の流れにくさを測定し、統計的に体脂肪率がどのくらいかを推定する測り方です。

家庭用の体脂肪率計量器付き体重計では、生体インピーダンス法が多く利用されています。

人間の体重は水・筋肉・脂肪で構成されていて、水の重さは全体重の約60%で、どの人でもそれほど変わりません。

太っている人とやせている人、がっしりしている人とぷよぷよしている人とでは筋肉と脂肪の構成比が違います。

水・筋肉・脂肪とでは電流の流れにくさにはそれぞれ違いがあり、水や筋肉のほうが脂肪に比べると電流をスムースに流します。

生体インピーダンス法はこの違いに目をつけました。

まず、身長や体重、年齢の異なる大勢の男女の体脂肪率を正確に測り、それらの一人一人に弱い電流を流して、どのくらい電流が流れにくくなったかを測定します。

その膨大なデータを体重計に内蔵したコンピュータに組み込んでおけば、身長・年齢を入力して、男性か女性かを選び、体重計に乗るだけで、今日の体脂肪率が大体どのくらいかを推測できるというしくみです。

生体インピーダンス法を使った体脂肪率の測り方のメリットは、操作が簡単で、専門知識のない人でも家庭で毎日気軽に続けられるという点でしょう。

流す電流も本当にわずかなので、妊娠している可能性がある女性でも生体インピーダンス法を使った体脂肪計なら安全に使えます。

ただし、生体インピーダンス法は誤差が多いのがデメリットです。

筋肉と脂肪に対する電流の流れにくさしか考えていないので、むくんでいたり水を飲んだ後や汗をかいた後など、体の中の水分量が変わると体脂肪率も変わってしまうという欠点があります。

女性の場合、生理前は女性ホルモンの働きでむくむので、体重が増えて体脂肪率が下がり、生理の後は体重が増えて体脂肪率は上がりますが、実際の体脂肪率は変わっていないこともあるのです。

また、生体インピーダンス法では、体脂肪率は測れても、内臓脂肪率と皮下脂肪率を区別して測ることはできません。

自宅の体重計で体脂肪率を測る時にお勧めの測り方は、朝起きてすぐの、体の中の水分が安定している時間帯に測ることです。

食事の後・汗をたくさんかいた後・お風呂に入った後などは体の水分量が変動します。

食事・運動・入浴の後、体脂肪率を正確に測るには、2時間くらいたってから体重計にのると良いでしょう。

 

二重エネルギーX線吸収法を使った体脂肪率の測り方

二重エネルギーX線吸収法は、DXA法やDEXA法と書かれることもあります。

波長の異なる2種類のX線を全身に当てて、2種類のX線が体を透過する量の違いから体脂肪率を分析する測り方です。

二重エネルギーX線吸収法は、もともと骨密度を測定するために考えられた方法でした。

しかし、体脂肪率や筋肉率の測定でも精度も高いことがわかり、正確に体脂肪率を測りたい時によく用いられるようになりました。

二重エネルギーX線吸収法は、生体インピーダンス法を使った体重計に組み込む基礎となるデータを集めるためにも利用されています。

二重エネルギーX線吸収法で体に当てるX線は肺ガン検診で使われるX線量の0.1~6%程度ですので、全身にくまなく当てても健康に悪い影響があるとは考えられていません。

しかし、胎児には悪い影響が出るかもしれないので、妊娠している可能性のある女性は二重エネルギーX線吸収法で体脂肪率を測るのはやめたほうが良いでしょう。

二重エネルギーX線吸収法のもう1つのデメリットは、全身をスキャンしなければならないので、機械に入らないほど体が大きい人の体脂肪率は測定できないということです。

また、二重エネルギーX線吸収法では内臓脂肪率と皮下脂肪率を区別して測ることもできません。

 

CTを使った体脂肪率と内臓脂肪率の測り方

内臓脂肪率を正確に測るには、CT(コンピュータ断層撮影)検査が必要です。

内臓脂肪率を測るだけであれば、おへそ回りの断面写真1枚で足りるので、特定健康診査でもおへそ回りをメジャーで測る代わりにCT検査を使うことがあります。

CTを使った体脂肪率と内臓脂肪率の測り方ですが、まずCTでおへそ回りの断面写真を撮ります

撮った写真には骨や筋肉、脂肪、皮ふなどが映っています。

内臓脂肪と皮下脂肪は筋肉で区切られていますから、おなか回りの筋肉を境にコンピュータで内臓脂肪と皮下脂肪を色分けします。

そして、内臓脂肪の面積をコンピュータで計算します。

コンピュータを使えば1人2~3分で簡単に分析できますから、午前中に検査を受けて、午後には結果を知ることができる場合もあります。

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